詩
詩
2006年05月13日 20:22 せっちゃん ここへ毎日詩を書こうかな、口からでまかせのやつ。
弱虫が自負心ばかり強く
甘えん坊の鼻たれ
親不孝はた迷惑
なんとも言う甲斐もなしが
今虚空幻身を得て
偶々思い起こす
これなんぞ
笑止
見えも外聞もなく
置き忘れて
花に挨拶
今日は
涙ゆすれ
2006年05月14日 07:07 せっちゃん
朝は寒い
青葉冷え
いいやずくなしの花が咲く
かあちゃん風邪引いて
どっぷりうつって
喉ひり
一火主坐って治るかなって
坐ってる間だけー
ちえ年取ったか
えんつつじ
2006年05月15日 06:51 せっちゃん
茂み若葉と楓の花と
触れても行かん
たなごころ
つがいに行くは
せきれいの
舞扇
2006年05月16日 09:14 せっちゃん
お悟り
あなたが死んで三日もすりゃ
まあ三年にしておくか
すっからかんに忘れられて
だあれも覚えていない
しかもかくの如く
風月如昼
これをあなたのお悟りという、
まちがいないですよ
花草常春
2006年05月18日 11:14 せっちゃん
地震以後
むこうの道は修復した
こっちはどうかな
行ってみろ
ふーん雪崩のあと
木株がでーんと
うわ地割れ
こりゃだめだ
崖っぷちにUターン
車に引っかき瑕こさえて
命ばかりは助かった
藤の花のトンネルをさ
藤娘は大津絵の
2006年05月19日 20:33 せっちゃん
谷崎淳一郎の刺青を読んで
ますかいた中学生
なつかしいか
ピカソが刺青に凝って
名流夫人が柔肌を競う
アメリカ大使夫人に
赤い星と鎌を彫っちまって
一悶着
冷たい戦争の
これもなつかしいか
無無明亦無無明尽
たいていいたずらで終わればいいが
18娘と
人力車に乗ってる間は
愛人だとさ
悦に入ったらなんと
車夫もおねえちゃん
奈良の大仏もご照覧あれ
仏法伝来
538嘘の始まり
無老死亦無老死尽
しわくちゃじっさ
2006年05月20日 08:53 せっちゃん
人を誑かす為の
悪魔の発明
モーツアルトは虜にする
はてさあ
良寛は突き放す
一休頓知
にんべんを取り払って来いと
正師にも惑わされ
邪師にも惑わされ
行きつ戻りつ
かつがつに得たり
なんにもならずは
赤ん坊の日送り
2006年05月21日 19:46 せっちゃん
開けてあった窓を閉めて
お休みの挨拶
山河大地と
空と
森の向こうに
宵の明星
わが友よ
たとい地球も人類も
不幸のどん底であろうが
許せ
如来わが
来たる如しの
挨拶を
28 2006年05月22日 19:56 せっちゃん
雇他痴聖人
如担雪埋井
キリスト教やラディニーシではない
このように坐禅をしている
いいのわるいの
こうあるべき
いつまでたってもとやこうなんだかんだ
雪を担うて井に埋ずめるが如し
甲斐のなさを知ってつとに手つかず
わしの名前が入っているからといって、
師の書いた連を
兄弟子から奪い取ってきた
何十年も前
でもって今も客間に掛かっている
雇他痴聖人
如担雪埋井
29 2006年05月23日 13:35 せっちゃん
あしひきの雪振袖の如くして
出雲の阿国はいつ問ひ越せね
室町のころから
あんまり変わっていないという
優雅な踊り
綾子舞
一説には
佐渡を追われ
行き倒れになった
出雲の阿国が伝えたという
雪の鵜川の里
木沢なむ山沢ならむ標して
女沢とふ雪振袖の
長い冬の間の
女の出稼ぎとなって
そいつは残ったという
三日でも15分でも
15万円だって
ようし年金でもって
お寺へ呼んでこよう
来年は
30 2006年05月25日 20:08 せっちゃん
池坊古流の花だってさ
見ろよかあちゃん
なんだかだらしないわね
もうむかしのように活ける人いないのかしら
生活空間の問題さな
草月流が出た
オブジェって物
そういうことかしら
あっちのかあちゃん娘
おっさん見てみな
銭金食う寝る
文句百まんだらなあなあの他に
息ずく空間なんかあるもんか
またいいかげんな毒舌
ちえかあちゃんに説教してもしゃあないか
あらあっは
31 2006年05月27日 09:42 せっちゃん
たしかに如来であったと知る
長い間さすらい惑い
七転八倒はた迷惑
言う甲斐もなしが
ついに一草に帰す
心行く山河大地を
虚空を
人を味わって死ねと
首くくる縄もなし
貧乏ひまなし
あるいはものみな悲しく
葛藤これ本来
まったく何変わらずや
強いて言う
飢えた虎に食わせる
この身あり
32 2006年06月01日 20:30 せっちゃん
先生と坊主にはろくなものがいないってさ
知識の切り売りは思考停止
思考停止は
ふんぞり返って威張る
いやさおかまみたいになっちまうって
寺に生まれたから説教は人間停止
嘘ばっかりのてんぷら
おぞましいったら空威張り
人を救うはずが心理学の対象物だな
赤信号みんなでわたれば恐くないといって
みっともない集団自閉症
ごんずいかたまり
捨てるよりねえったらな
教育は必要悪
いやさ止めた
なあ木の葉っぱ
いつだってどんな世だって
命はみずみずしいのさ
先生のことは知らん
坊主は求道あればすでに可
2006年06月02日 19:45 せっちゃん
爆笑問題
ちいっとも笑えぬ漫才を聞いている
神経痛の男
けえなんてえ
これも前世の因縁だ
仕方がないモーツアルトを聞いて
ドライブに行こう
なんでモーツアルトでドライブだ
爆笑問題
カーステレオしかないからだ
青葉の初夏を
たった一人どこへ
藤とやまおおでまりと
爆笑問題
隣に座る彼女がいないからだ
ハイドンセットと
ソナタを聞いたら帰ってきた
爆笑問題
どこを回ってきたかー
わからない
2008年07月17日 14:46 せっちゃん さっぱりだれも寄っつかねえなあ、うんでは李白のものまねして詩でも作ろう。
詩てのはなぜかいまいちだなあ。
身を横たえて夏の月を仰ぐ
同じく雲間を行くが如し
炎暑涼風を誘い
花鳥微きを取り戻す
まずはこんなんでさ。
2008年07月17日 20:36 せっちゃん
茂み影に遊ぶせきれいのつがい、
軽快にさ、
人に涼風をプレゼント、
水辺に生える草は穂を抱えて、
これもまた、
かそかに秋の思いを。
2008年07月18日 09:01 せっちゃん
モーツアルトを聞きながらドライブに行って
夏の真っ盛りをミヤマカラスアゲハが飛び、
あれあいつはスジボソヤマキチョウ
柏崎へ行き、
綾子舞の鵜川へ行き、
道は崩れてすんでになで落つ
なんだあ地震のあとだって
じゃ標識ぐらい出しとけ
なに出してあったって
うへえもう少しで本望ってやつ
不協和音を聞いてあの世行き
断食して死ぬよりゃよっぽどましだったんにさ
2008年07月18日 11:45 せっちゃん
安物ワインを飲んで、
魚よりはぐっと安いソ-セ-ジや
子羊のソテ-を食って、
でもって多少の野菜となんだかんだ食って、
かあちゃん相手に
弟子相手に演説して
一年たったら布袋腹、
じゃなくってメタボリック
いえさ妊娠十カ月
ちえなんで引っ込まね-んだ、
だれの祟りだ、
貧乏暮らしの、-
そうだ北朝鮮だ中国共産党だ、
ふんアラブにキリスト野郎どもに、
は-あなんにも云えねえ
世の中腹ふくるるわざばっかりの、
四半世紀で地球壊滅たって、
ありがてえことにゃ
こっちの寿命がもっと早いぜ
なんせすっきりしたいって、
うそだあぶ-すかでか腹抱えて昼寝してるくせにさ
このくそあち-のに
ふん
2008年07月18日 17:25 せっちゃん
書をものにすって物書き?
ただもう書いてりゃそりゃ物書き
快感もなんにもなけりゃますかきってことね-わな
がらんどんか野良猫め
なにをやっつけた
めんどくさいいいからもの書き
そうさ百年たったら一億円
ふ-ん四百億もうけるんだって、
それにしちゃ、
三枚書いてどっかへふ-らり、
うっさい知ったことか
北極の氷が消えて
北極熊はあざらしを求めて大海をわたる
いっしょについて行って
涼を求めて
ついでに獲物を取ってやろうかって
あっはっはてめえ獲物になる方が早いわ
絶滅危惧種
動物園の檻の中にしかいなくなる
淋しいってことは
檻の外の人間の
なんともこりゃコメントのしようがねえってやつだな
横尾ただのりみたいに
臓物逆さにふってさらけ出して、
気の聞いたせりふの一つ二つ
いやさめんどくさ
鬼みたいなおねえちゃんともおさらばして
そうさな
檻の内外旅の終わり
また会おうって
それって次の世あんのかな
2008年07月19日 14:39 せっちゃん
中国オリンピックも宇宙飛行士もいらん
ゼニばっかりかかってまるっきりいいことねえ
戦争と平和博愛だの
宗教と食わせものと
嘘ばっかりの他にさ
木の葉っぱ一枚とか
あっちへ行っちまった雲とか
ご丁寧に百%失敗の
日本外交なんぞしなくってすむこといっぱいあるのに
ふ-わあくび
とにかくお呼びじゃね-んだすっこんでいろ
飲んで食って歌って
鼓腹撃壌じゃね-けど
李白の詩ってやっぱりすげ-な
山も川も
空を飛ぶ燕だって
人の心を訴え
あんなんありゃ生きたってもんの
ふ-ん
また会う日まで
しばらく浮き世おさらば
はあてな
まだこの糞袋
暑い寒いやってるぜ
みっともねえったらさ
千里鶯鳴いて
緑紅に映ず
しょ-がねえ釣りにでも行くか
信濃川臭いよ
2008年07月20日 08:31 せっちゃん
クワイ川は清流に
石英か雲母か
きらきらと光るものが入っていて
美しい鳥が行き
遡るにつれて茂みは爽やかに
舟を連ねたホテルがあった
一月は寝て暮らすんだという
外人どもがたむろする
奇妙なことに
それを渡ってシン族の村へ入る
すがきを囲ったような
入り口があって
いろんな種類の
熱帯の蝶ども
売店があり
学校がありする
シン族はベトナム戦に
独立を賭けてアメリカにつく
完全に見捨てられ
タイの捕われ人であり
外には出られない
黒板と椅子が十脚の
みすぼらしい学校
赤ん坊をおぶった
そっぽを向いたきりの女から
タイシルクを買った
ずいぶん安かったから
お土産にしたら
せっかく作ったドレスが
あっというまに擦り切れた
困った
閉ざされその若者の目を
今も忘れない
861 2008年07月20日 13:30 せっちゃん
せっかく植えた蓮は
なんだいこれ
岸に張り付いて咲いているぞ
これじゃお墓のPRにもならん
真中にお堂を建てて
ミイラを祀ろうと思ったのにさ
いやわしのさ
うふふ貧乏寺も御布施が上がるぜ
茶の間にやって来る鬼やんま
もうちっと遠慮したらどうだ
テレビにどっかん
人の鼻先にホバ-リング
羽化を見たのはいつであったか
死ぬまえにもう一度
ぎふちょうはいなくなった
友達は鬼やんまと-あと
2008年07月21日 08:18 せっちゃん
クワイ川の辺りで象に乗る
溌溂たる耳と美しい目
年寄った象は神韻渺茫
なるほどこれは世界長
どっさんどさと脱糞し
巨大な円柱が川水を増す
乗り心地なんてものじゃなく
肩幅が広いしゴンドラは大揺れ
ちゃっかり娘はその太首にまたがる
象使いのサ-ビス
もしや永遠の友になって
夢は故郷の山河を荘厳-
戦争の道具にした古今東西
固いしわだらけの背の上で
ふいに涙に溢れて
いっそ人間のみじめさを思う
2008年07月21日 16:10 せっちゃん
なんという美しい木漏れ日か
三十五度だという梅雨は上がり
彼女と二人
三つになってすっぽろりんの水遊び
恋愛も喧嘩もない
ふ-ん鬼やんまが飛んで来た
人生だってさあほらし
2008年07月22日 09:10 せっちゃん
夕方施餓鬼の稽古だってんで、
雲水ども法堂に並んで、
「こらびくつくな蚊食うぐらいなんだ。」
維那和尚叱咤、
うわ-んと大小無数の蚊、
パンツの中にまで無遠慮に入る、
ほんにま維那和尚ぴくっともせんや。
ぼったぼった、
蚊の落ちること桜桃の如くとは、
坐中刺されるまんま
吸うだけ吸ったらまんまるうなってぼっとり、あっはっは冬は吹雪の吹きっさらしが、
膝の辺につもり
春はのったり眠くなる
秋は食いすぎて腹下しとか。
うっふふいろんなことがあったっけ
なんのための修行かって
たいていすっかり忘れて
おおかた無駄骨折り
十年三十年、
はあて五十年たって、
ようやくに暇が開いたのかな、
せっつかれもせずってやつ、
うっふう生まれついてがやっとこさ
蚊に食われ、
炎熱に草をむしり、
暑さ寒さのない所へ行こうってな、
まあさ、
ご都合は云わないの。
2008年07月22日 17:25 せっちゃん
薬師寺展を見に行った
九0分待ちの大行列
なんでこんなに混むんだい
収入は坊主とお役人に入るんかな
うはうは儲かる使途不明金
はてな外野には関係ね-か
日本人は仏教を大切にする
古典に飢えている
なんかよ-わからんけど
雪舟展もものすごい人数だったな
評論家どものとんでもしない無理解と
一般人の鵜の目鷹の目は
あんまり関係なくって
つまり熱気というんかな
この大混雑にとつぜん
お釈迦様が現れて説法したら
たいていそっぽ向くんだろうな
変な言いがかり付けるなと云う
仏教なぞいらんというやつに
そんなん仏教じゃないというやつに
面白いな
一箇半分お釈迦さまを信じたやつが
袋叩きに会うかな
でも大騒動は終わりそうもない
今度はどこから持ってくる
横尾忠則冒険王より
確実に実入りがあるぜ
彼の絵は面白い
画壇のなにがしにはない命
おまえの絵見てから外へ行くと
世の中み-んな横尾忠則になっちまうんでかなわないよ
ピカソ以来かなこういうの
画期的なことが起こっている
観客側から絵を描くっていうやつかな
十字街頭獄門磔
こりゃ仏の願いかなあっはっは
日光月光菩薩よりも
うん面白いぜ
若者がずいぶん見に来ていたな
2008年07月23日 08:41 せっちゃん
草むしりしていたら
蛇の抜け殻があった
ずいぶん小さいと思ったら
半分別にあった
草は伸びて
あと一月は戦争
なんせ稼ぎどきのお盆も来るしな
ふわ-あやってらんねや
蛇みたいに抜け殻脱いで
食っちゃ寝のど-んと夏がいいな
何の因果か人間さまに生まれて
すったもんだの末の
てめえの妄想も始末できぬ
強いやつが弱いやつを絞るのは
浮き世の摂理
アメリカだの北朝鮮だの
もううんざりのめんどくさ
どいつもまあ
なんてえ間抜けやってんだ
ホ-ムレスは暑いしさ
汚ねえしな
食用蛙飲んで
三日もさつきにぶら下がっている
青大将は
お友達になるのはなんだが
気が利いてらあな
2008年07月24日 08:24 せっちゃん
また地震だな
忘れないうちにやって来る
新潟地震は三カ月も水が来なかったし、
昭石タンクの爆発でえれえめにあったし、
恐怖の中越地震は同じ揺れが四回も来し、
中越沖地震はもう被害カ所に目をつむってとまあ中国に生まれずによかったぜ
毛沢頭を尊敬して就職ふいにした中学生がいたが
ほんに人の噂はいい加減
ポルポトでさえ尊敬するやつがいる
北朝鮮国家を君が代の代わりに教えたとかいう先生は、
責任とらないのかな
役人も先生も
責任なんて言葉知らないみたい
つまり地震と同じだな
無思慮無分別
だらしなさ
てめえゼニ勘定以外ないってやつ
そりゃ災害だあな
なんまんだぶつ
念仏でも唱えるっきゃないか
せっかく仏だってのに
見性したんからと得々として喋るやつ
あっはっは立派な天災
どうしようもこうしようもないったらさ
くそ暑いのだけでもうたくさんだ
雪月花まぶたにかすむってのは
そりゃ
地震も竜巻も人災のうち
ふ-ん主旨不鮮明になった
統一
さっさと人類滅びろ
うさんくさいのを通り越して
うなぎの蒲焼きも食えやしね-や
どじょうもいねえとさ
新潟の田圃だってえのに
くそうめ
ふんでなんだっけ
2008年07月24日 11:02 せっちゃん
ムカデが蝶を食っている
あれこいつは珍種の
おおがましじみ
まさかこんなとこにいるわけねーな
よくまあ茂っているな
土砂降り雨が降って
大分の先生どもは死刑にして
坊主どもは穴埋めにして
そうさちったあ涼しく
2008年07月25日 08:18 せっちゃん
瓜姫に化けた天の邪鬼が
木のてっぺんにぶら下がる
あ-んと泣いて女の子
呆れてだれも助けてやらなかったら
にゅうっとしわくちゃばあさんになった
くたばるんで親孝行しろっていう
間抜けなせがれが助け下ろして
とんでもないめにあった
そりゃもうとんでもないめにあって
施設をたらい回しの末に
汗みずくして溜め込んだぜにもすってんてん
なんでこういうめにって
気がついたときはもう遅い
政治家になったのが悪かった
取るときゃ天引き
くれるときゃ難しい書類作って
銀行役場銀行たらい回し
いじめほっかい民主主義も
しっぺがえし食うんだって
ふ-ん
あれ色っぽい女になって
だれかたらし込んで失せたぞ
うわ-せいせい
なに小沢だと
うわっはっは間抜けめが
とことん吸い取られろ
しょぼたれじっさ
元通り木に吊るすやつはいね-か
アメリカさんに願うよりない
天の邪鬼の生みの親
唐変木だってさ
民主主義だ
アホ丸出し大統領選挙
うっはっはブッシュしか選べねえ
マシンガン無差別殺人の元祖
正義の戦争だって
天の邪鬼は
エイズの生みの親
エボラ出血熱も発明したってよ
神さまを信ずるものは救われる
なんせキリスト様
透明人間だ
天の邪鬼って
そ-さだれも見えないんだって
あれこれ明美ちゃんのこと書いてたの
なんでこ-なった
そりゃ天の邪鬼
2008年07月25日 15:11 せっちゃん
炎熱の雲に半月かかり
明け放った窓からは蚊の大襲来
仕方がない灯を点けて
素っ裸で詩を書く二時間半
まあまあ眠れた
2008年07月26日 08:17 せっちゃん
鮒釣りにどじょう掬いをした
故郷には
何故か二度と戻れない
時に苦しい思いをする
夏の茂みの催眠効果
炎熱の日をよくまあ茂って
その向こうに死があって
また生まれ変わることがあって
だからといってどうなるわけでもなく
人のなつかしさと
因果必然は別もの
ふわ-っと欠伸をして
なんせ事故らずに帰るか
青蛙と鬼やんまと
きちょうと雀と
そういえば人間関係もあったか
ふわ-欠伸
もしやこれニア-ミスだぜ
生きているのさ
死ぬのは相当に面倒くさいから
芥川龍之介みたいに
ちゃんと計画をたててとさ
いっぺんわしも故郷の
小川に行ってみようか
今はもうまったくない清流に
みずくさの白い花が咲いて
丸々と太った鮒がいて
でもそのあとどうなる
しわくちゃばっさが
なんとかちゃんとか
わっはっは
こりゃ幾何学の問題だな
時空交差点
車じゃあんまり追いつかないのさ
笑顔と
なんだか情けない顔と
ふっと向こうに消えて
は-い生きていましたよ
2008年07月26日 16:45 せっちゃん
道端に拾ったもんきあげは
羽化したばっかりを車に当たったか
なんという美しい
まだ息があって
それでは二人でドライブ
あばずれ女よりも
初々しい乙女よりも
色っぽい女よりも
あげはちょう一匹の方が
なんという宝物
はずみに裏返ると
息を呑む絶景
初めて出会った南国の蝶のように
全世界魅せられて
男のロマンというには
往復一時間のもんきあげは
机に置いた
拾って来た
じゃがいもにそっくりの小石の隣に
明日の朝
草の辺に載せるまで
2008年07月27日 09:17 せっちゃん
みおちゃんと鉢の石仏を見に行って
それが杉の林の中に
十三の石仏があって、
お不動さんからお釈迦さま弥勒さま観音勢至菩薩大日如来と
十三仏さんは大きさ等身大で
どのお顔も同じで
みよちゃんにそっくり
よく拝んどけ
あたしになんか似ていないもん
でもって帰って来たのは
小千谷を通って十日町から川口へ
長岡でワインとチ-ズを買って
そばが食べたい
高いからうちへ帰って宴会
といって
はあてわあっと飲んで
明日の夕方中越大地震
通って来たところずうっと
いやもうとんでもないったら
お寺も大被害
帰れずなってみおちゃんは
一週間もお寺にいた
なんせ助手席の窓開けて煙草を吸う
のべつにジュ-スを飲む
おしっこ
もうここらトイレないよどっか行ってやってこい
は-い
でもって松之山へ行ったら
去年生えていた
きのこはなく
みょうがに真赤な花が咲く
これって六十年にいっぺん咲くんだってよ
ふ-ん災害の年かなあ
ほんとうに真赤なの取ってきて
しばらく挿しておいた
いつであったか
雲洞庵へ行ったら
みおちゃんそっくりの山姥がいた
そうかあたしの祖先
今からでも遅くない
山へ入って暮らしたら
そうしよっか
みおちゃんとわしは
寒山拾得なんだってさ
かれこれ十年来のメル友
面倒見の良い旦那がいるけど
2008年07月28日 08:24 せっちゃん
そうめんの残りを
青紫蘇入れて
醤油で炒める
けっこういけるぜこれ
貧乏人食
でもってチ-ズは到来品
赤ワインで晩酌
またどんかん花火やってら
昨夜も一昨日もやって
くそ暑いのに
音ばっかり
うるさったいったら
直江兼継がなんで愛なんだ
唐変木め
中国も
オリンピックだとそんなもないらん
てめえご本尊の体育会系め
涼しくねえったらに
ゼニばか使いやがって
いい大人がさ
ふん
なんか他にするこたね-のか
方丈花火見えますよ
なにどこ
山の向こうです
どれどれ
うわ-い見える
あの山どけろ=
2008年07月28日 14:21 せっちゃん
なむねこは我が家の永久欠番
ばあさんが名付けた
なむあみだぶつのなむではなく
飲むから足んねえとらや-や-もっとく-りょ-く-りょ-の大悲心陀羅尼
どっか猫いねか
お寺鼠出て困る云ったら
ひょ-ろく旦那が小猫持って来た
ほらよって籠から出すと
さ-っと逃げる
それっきり行方知れず
あずけたよってひょ-ろく旦那帰る
暮れから正月
雪が降った
三元日過ぎた
雪がもっこりもっこり盛り上がる
その先へ猫が出た
裸足ですっ飛んで
噛みつかれるまんまに取っ捕まえた
法事のしゃけを餌に
手傷だらけにして三日
どうやら懐く
可愛かったなあ黒虎
重力を無視して
じゃれたり跳ね飛んだり
なんせしゃけの他食わん
法事はそうはない
猫フッドは見向きもせん
どうしたもんだって
目が覚めたら枕元に
血だら真赤の兎の足
ぎゃ-お
次には内蔵どんぶくろ
わかった
なむどっかわしの見えね-とこで店開きしろ
たらもう持ってこなくなった
や-れ安心と本堂の拝敷きの上血いだら真赤
ぐわ-いこれ五万円
はて怒ったらそれっきり
夏が過ぎて
須弥段裏行ってみたら
ふわ-り山鳥の羽根が
こりゃ五六羽分はあるぞ
なんだあなむ山鳥なら喜んでしゃけと交換してやったのにったって
後の祭り
なむめ一年たって色っけ付いた
雌猫がやって来て
玄関先の石の上にスフィンクスやっている
そのまわりをぐるぐる
わしを見上げて
どうにかしてくれろという
うっさい
猫のきんたままで面倒見切れん
てめえでなんとかしろといったら
なんとかしたらしい
三日間行方知れず
どっきたねえ
なまくら猫になって帰ってきて
おかしな声で鳴きゃあがる
どあほめがげすいらねえしゃんとせい
喝入れたら
しゃんとする
立派な猫になった
黒光のする黒虎
眼光けいけい
大きさもたいての猫の倍はあった
でっけえねこといって
がきどもが回りを取り囲む
問答好きの末寺が来て
当家の猫は虎の如しと云った
当家の主は猫の如しと
わしは猫背
そこらじゅうの雌猫孕ませて歩いて参った
あの猫戸棚開けやがる
鮒の煮つけ食わんで
隣のかれい食って行きゃがったと
面白いことには
どえらい甘えん坊が
山門を一歩出ると知らん顔
法事に行ったらまっしろい大きな猫がいる
なむより一回りもでかい
またあいつが来た
うちの猫ちじんじまってと主がいう
外になむが歩く
ひえ助かった知らん顔
そう云えば
どういうものか雪の冬は行方知れずになる
来た時と同じに
冬は外暮らしだと思っている
四キロ離れた駅のスト-ブにあたっていた
この猫煮干しやっても食わねえと駅員がいった
うふ助かった知らん顔
決まって夜中の十一時に御帰還だ
にゃ-ごごろ
とびっきり甘え鳴きして
人の蒲団へ這い込む
うっさいおまねなんか待っちゃいね-んだ
ほうり出したって毎晩にゃ-ご
さかりのついたときは
雌猫の行列して
人の枕元で運動会
くわ階段下まで放り出す
こっちゃまあいいが、
疲れて寝ているかあちゃん妨害
2008年07月28日 14:23 せっちゃん
かあちゃんはまずお父さんを産んで
ばっさを産んで
なむを産んで
徹を産んでお妙を産んで
それから鶏を産んだんだ
むかしあった作文三兄弟の剽窃
せがれが産まれたとき
喉首になむは牙を立てる
こら
人間さまのほうが大事なの
立ち会っていてよかった
年子の娘のときはなんにもなし
ばっさのひよこをとって食う
酉年ばっさは鳥を飼うのが趣味
そのすばやいことは
迷鳥がいる助け出してとやっていると
なむがいた
もうとって食ってる
ばっさのひよこは一羽だけにしとけといったら
一羽だけにする
成鳥は食わない取り決め
なむを連れて山へ行く
とことこと走って待っている
いっしょに歩くってのは間尺に合わぬらしいむっくりというきのこは
ほんのりとピンクなのが藪から藪へ盛大に生える
籠はいっぱい
服脱いで入れて両袖ふん縛って
なむなんか忘れて帰って来た
帰って来ない
三日たって行ってみるとそこにいた
ぐわあぐわあ鳴いている
はて山猫のくせにたって縄張りというのか
どうもそういうものらしい
なむも面白かったが
がきどもは面白かった
子供は三つまでに親の恩を返すという
障子は張り甲斐がある
なんせお寺だ
変だな静かだ
振り返ると二人で指突き刺して順繰り破って来る
静かなときが危ない
徹ちゃんはいは
さんざん呼んだのがようやくはいと返事する
池へはまったんではなく
椎茸の出だしを一つ残らずむしっていた
せっかく借りて大事に読んでいた白土三平を
二人二階からばら撒いている
ひらひら舞い落ちる
うわあきゃあ
碁石もやられた
怒ったことは一度もなかった
いやたった一度
いとこしんちゃんが猫嫌いで
お寺に来て朝寝しているとなむを入れる
ぎゃあと飛び出す
ばっさが小猫を貰ってきた
よせばいいのにさ
なむはえさは小猫から先に食わせる
なんかの加減で
つむじ曲げるとふわ-とおったてる
小猫は小便ちびって逃げる
その猫を池に投げこんで
岸に泳ぎつくのを
三回までが限度だなとしんちゃん
がきどもがまねして
小猫がふんのびた
叱った
なんで叱られたのかわからない
子供は三年で親の恩を返すという
接心がありお盆があり
大般若がありする
なむは暑いときには渡り廊下
寒いときには炬燵猫
居場所は決まっていて
わしがいるとわしの膝の上
ウイスキ-を飲ませると
ふ-らり千鳥足
グラスを見るとすっ飛んで逃げる
八の雌猫を孕ませて
耳は三つに裂けて
猫又大明神に三回お参りしたな
化け猫だと云われて
十三にもなったか
歯が抜ける
毛玉がぼこぼこできてみっともない
洗濯してもはか行かぬ
泥棒猫してどぶっさらへ投げ込まれて帰って来たとき
洗ってやるとふっさり上機嫌で寝ていたが
どうしたものかと思っていると
娘が毛玉をつかんでむしる
みんなとれてすっきりした
赤ん坊のころから発明で無鉄砲で
昨日の芸者よりゃよっぽど面白えやといって、
電車なんかで
親父どもがよったかって困ったりした
さすがのなむもお妙にはめちゃんこ
とうとうなむは
人の膝の上で御漏らしする
急にあったかくなる
うわっと投げ出す
弁護士さんの弟子がいて
その鞄にひっかけたことがあった
うちにも猫いますんでと弁護士先生
最後の彼女はシャム猫とあいのこかなんかの
美人ねこだった
挑んでもままならぬふうが
美人ねこはじっと待つて
それでどうなったか
三日して帰ってきた
さすがばっさで最後を知って
だんぼ-るに蒲団を敷いて入れた
はじめは水を飲み
のまなくなって三日
荘厳であった
仏であった
なむのように死にたいとばっさが云った
お墓にあかのまんまがふ-らりと生えた
一秋美しく咲いた
なむのお墓にはもう一匹入っている
水頭症の猫で
姉が持ってきた
生きられない運命という
獣医に見せると安楽死ですかと聞く
姉はそんなことさせるものかといって
しまいまで飼った
獣医も薬をただでくれたりしたという
これも仏のような猫だった
2008年07月30日 08:41 せっちゃん
根山万座温泉ソムリエ付きのディナ-と
アペリチ-フのカラメルは舌下腺を刺激し
ドイツの白は鱒と岩魚のかけあわせによく
スペインの赤はザルツブルグの塩の結晶によく
初秋の月は酔っ払いを有頂天にして
若し云うならば窓枠は大さそりと銀河を
ともあれ彼女は悦に入って
長い回廊を渡って若返り黄金の湯に浸る
メ-ルヘンのような山は紅葉
933 2008年07月30日 20:04 せっちゃん
きんぎょそうは夏本番
むくげが咲いて積乱雲
うわまいった三十五度だって
なんとかしてくれえたってなんともならん
桔梗が咲いたら秋の風
なんだいこりゃ青大将のぬけがら
紫陽花が揺れて豪雨禍
2008年07月31日 08:50 せっちゃん
市町村というのはさ、
金貰うとみ-んな自然破壊に注ぎ込んじまう
イベントが人寄せ万が一にも成功すりゃ
そりゃもうまるっきりの自然破壊
たいてい不成功に終われば
魚もいない川に鳥もいない
昆虫も花も
珍しいものは失せて
不毛の村になってこっそり
入広瀬もそうだし
背中合わせの下田村もそうだし
八十里越えだといって、
削って壊して今も破壊の真っ最中
人間てまあそういうもんかな
御当地ソングをぱあっと流行らかせて
ユネスコだろうが
世界遺産だろうが
ゼニカネ見るも無惨
川ひとつ蘇らせることができないんだ
川とともに人は死ぬ
仮使興害意推落大火坑念彼観音力火坑変成池
或漂流巨海龍魚諸鬼難念彼観音力波浪不能没
毎朝唱えるお経
観音普門品偈
ドライブに行ったらあっちやこっち
山百合の花
三つつけたり十五もつけたり
うん
念彼観音力と咲いている
夏の今が季節
自然破壊にも生き残ったかって
人は手折らぬし
大切にしているんだなこの花を
念彼観音力
2008年08月01日 16:42 せっちゃん
どこへ行った帰りだったか
ミョ-エとジョ-エに昼をおごるってんで
ラ-メンなんかわしいやだ
蕎麦はまずいくせに高い
いいから帰ろう
もうじきだと思ったら
「八石山ステ-キ」
どかんと看板
ステ-キようしこれだ
捜した甲斐あった
ちえ高いぞ
小国を抜けてまた抜けて
とんでもない山の中
八石山というハイキングコ-スがある
見上げるてっぺんに四阿
登ったら二時間はかかる
ボトルにしよう
スペインの赤かな
そりゃもうステ-キさ350グラムにすっかな
きしょ-めかってに頼んでやがる
パンにすっか
付け合わせがうんまそうだ飯
ロッグハウス風の造りで
フランスはボルド-辺り田舎屋敷
ええうめえぞこれ
たっぷりあっしよ
下には牧場があって
ナンバ-振ってあんだなこれ
ミョ-エはアメフトの選手だった
そうですあんなに面白いもんはないんです
作戦なんです
集団で女犯すやつか
違います
わしが二杯
ちえもう空っぽだぜ
ジョ-エはビトゲンシュタインだってんで
ドイツに十年いた
ドイツ女は丸太ん棒かかえてるみたいで
哲学はもっと初心かな
くうアメフトの倍は飲む
付け合わせの山菜がまた乙で
ごっちゃんです
は-い運転します
ふん
モッホちゃんが来た
あかねさす紫野なる大徳寺一休の徳を慕ひに尼になるとふ
そっかなほんとか
まだわかりません
今は見習い中だという
ミョ-エは僧堂修行
ジョ-エと三人で秋山郷へ行った
きのこを取って
野沢温泉であつい湯につかって
よし帰りにご馳走しようってんで
そりゃもううんまいステ-キハウスだぜ
遠い道を
腹減ったの
えんえんやって来たら
木曜定休日
回りになんにもない
山ん中の一軒家
ひえ参った
ミョ-エの祟りだ
とっときのそこへまた
女の子二人連れて行った
ミョ-エの姪子のみおちゃんと
せがれの先輩
哲学科出てケ-ブルテレビやってる
無邪気に大喜びして
見ているだけで楽しくなる
昼間から贅沢
牧場のステ-キハウスうわあ
小股の切れ上がったっていうけど
小股ってどこだ
そこは大股
にべもないのにべってどういう意味
さあなんかわかんない
タレントのなんとかさんが
男子高校入ったら
全寮制でもって
新入りおいニベア持って来いっていうんだって
魂消て転校したって
にべもないって
ニベアがないっていうこと
きゃあうっふっふ
モッホちゃんは
尼さんになるのやめて
針灸師になった
夫が交通事故で死んで
自分も死んだようであった
白黒映画のように
色彩がなくなる
物の味もわからない
それから回復することができた
またもう一つ人生があった
八石山ステ-キに
今度は木曜日でない日に来た
わ-い乾杯
がちゃんそっちの運転だぞ
仕方ないい-か
ボトル半分開けて
酔っ払って置いて来ちゃった
コ-ヒ-飲んで
蝶がいっぱいいた
いつかあの山の四阿まで行こうか
うんそうしよう
ジョ-エさんとドイツへ行こう
モッホちゃんはドイツにいたんだって
牛飼いのおばあさんにホ-ムステイしたんだって
蠅の入った牛乳を飲んで
おっかないトラクタ-に乗って
なくなる前に訪ねた
結婚式の写真が飾ってあった
嬉しかった
おばあさんを見て泣くと
泣き虫だねえこの子はと云った
ミョ-エは悟ることあって
函館へ行った
許嫁がいて結婚するという
企業戦士であったのに、
この事があると知って
出家して三年
ジョ-エは本山にいる
哲学の延長上にはない
無理だし止めとけというのを、
なにしろがんばる
ドイツへ行って
説得するんだという
リュ-ジュというしまいの弟子と
かあちゃんが運転して
晩餐に来た
そりゃ美味しかったが
帰りが真っ暗がり
本を出したから
出版記念ここでしようといって
お金が足らない
まだ
2008年08月02日 11:47 せっちゃん
我やまた暮らしつくしてあしびきの山にはふきを秋はきのこを
ふきを取った
おおひかげのさなぎがいくつもとっついていて
水に挿しておいたら
見事に羽化した
亜高山蝶で
戸隠にいたな
美しい単純な
大きなひかげちょう
お寺には沢山いたのに
そうしてあとほとんどいなくなった
ぎふちょうも絶える
すぎのわかえという真っ白いきのこは
千年来食用であったのが
とつぜん毒を持つ
中国から吹いてくる風に
松が枯れ
まつたけもしめじも全滅
こうたけを取った
シェフが来てチャ-ハンにこさえて美味しかった
でもってきのこはおしまい
どこへ行ってももうむかしのようではない
海も河も魚が少なく
滝川さんは癌で死んだ
年上の弟子であった
梅が咲いていた
まだ雪があって
人に別れ
ものみなに別れして
大空の雲
市町村合併だってさ
いにしへの人に恋ふらむ梅の花雪の小国は長岡につき
2008年08月03日 10:47 せっちゃん
このくそ暑いのに
大元気なのは秋海棠
おや花をつけたぞ
ぽっちり赤い
なんしろ軒だけに茂る
他へ植えてもだめだ
雨んだれと
日影が好きなのか
伝兵衛さから貰ってきて
一度枯らし
二度枯らし
三度めにやっと根付く
一は普請があってめちゃんこ
二は雑草と間違えて弟子が刈っちまった
三は地震で壁が崩れ
伝兵衛さは何十代続く大家さま
農地開放から
事業に失敗して
いちめん花を植えて
こじんまりした家に住む
せがれが文部官僚になって
まずはめでたし
旧を取り戻すか
秋海棠の花はなんともいえぬ形して
そりゃ美しい
ニュ-ジ-ランドへ行ったら
大木のようにごん太いのがあった
造化の神さまに忘れられた島の
ポッサムの他に哺乳類はいず
蝶は二十五種
蛇もいないんだっけか
外来種がはびこる
牛や羊のうんこ小便で
浜はいったん死ぬ
雨が降って
長雨が降って
眺め暮らして
秋海棠さな
見向きもしない女に惚れて
日んがなため息って感じの
うっさいわしのこっちゃないったら
2008年08月04日 08:28 せっちゃん
でっかい蟻がのそのそ歩いて
やろうめうちん中だぞ
ちったあ遠慮しろって
糊入れ紙の抽出しに巣作っていて
退治したっけが
今度はいったいどこに
くそあち-のに
頭へ来るったら
ごなごな
みんな政府がわり-んだ
国語教育がなっちょらん
亡国の民だ
ふ-
蛍光灯が
剥き出しになって
はらばたみたいみっともねえったら
引き糸が弱くって切れちまう
欠陥車だ
二度交換して
三度めにゃリモコンにする
二万円だとこきゃがった
うっさいガソリン値上げだ
な-んもかんも原料高
ど-もならんての
電力会社だけお手盛りだ
あいつらいつまで
殿様稼業
日本の癌だ
大分の教育委員会とさ
死刑にしちまえ
ふん
血圧上がるぜ
朝っからあっはっは
あの-中小企業ですが
東北電力じゃねえです
丈夫な糸捜して来ますから
そういって三日めだ
ふわ-あ
坊主が最低
仏教の敵
ろくでなしが死刑の価値もねえとさ
ぶっつぶして代替えエネルギ-しよ
メタボ腹
脂肪がたまってらあ
藁束やとんもろこしより
よっぽどはか行くぜ
世のため人のため
問題一挙解決
2008年08月05日 11:39 せっちゃん
四頭立ての馬車が停まって
ロココ風の賑やかな
ふ-んなんだこりゃ
龍と百合の紋章のついた扉を開けた
モ-ツアルトの紋章ですって
貧乏音楽家が
はあてそんなのあったか
待てよ鎮魂ミサだ
あの世のお迎えが来たんだ
じゃ乗らにゃなるまい
あれ貴婦人さまが乗っていらっしゃる
クジラのひげを入れたあんどん海月のスカ-トの下は
いやどっかの女王さま以来パンツ履いてるっていうの
では
洒落た挨拶をしようと思ったら
とつぜん出発
うわしんずれい
ふんもう
時空間を走って夜が明ける
時を超え帰り行くとふヒマラヤの花の谷間の青きけしはも
はてどこかで聞いたふうな
さまざまの花が咲き乱れる
蝶がいるはずだ
すんばらしいヒマラヤの高山蝶が
蝶はいなかった
貴婦人は憤然として突っ立って
そうか手をとってあの
こうもりかさないと紫外線きついぞ
おや
真っ青な花になる
そうか紫外線のせいか
月の光には真っ白に
ピアノソナタでいうと-
また馬車に乗っていた
フランス語もドイツ語もアイドントノウだよどっかワインでもなかったか
ウイスキ-ボンボンでもいい
戸棚開けたら
銀製のピストルが出た
慌ててしまう
決闘でもなさるの
あれ流暢な日本語で
いえそのう
フィレンツェの手料理となむ君若しやポテッツェルリの春の如くに
ふ-んなんだとうわビ-ナスが出た
貝殻の辺に突っ立ってるぞ
どこが美しいたって
美の権化だ
なんで泡から生まれたんだ
神聖なというより
みずみずしい
ああこんなふうに人間が若々しい時代があったんだ
あんまりにも短かった
貴婦人がくしゃみをしたらおしまい
ほんにくしゃみが聞こえて
おっほほ
いたずら小僧がわしか
馬車はまっ暗闇を走る
五十にて議員になりし清一郎永眠せるは夏の終りに
ボランティアみたいなことやっていたのが
念願の議員になったら
かあちゃん離婚
一人暮らしがたたって清一郎め
アル中が復活して
譫妄状態になって
ヌ-ドの女に尻尾生えたのが
天井からぶら下がる
鉄仮面が下駄履いてあと付ける
云々
治ったって
栄養失調で死ぬ
若しや音楽の才能がおありだったんでは
貴婦人が聞く
祭りの太鼓叩いていたけど
太鼓って雪の音が出せるってほんと
そのうわしも音痴でして
隣の部屋に下りる
清一郎の葬式だった
市長と二十名の議員どもを
わしは煙に巻いて
母親を喜ばせていた
汚い坊主が難癖つけて
うっさいからぶっ殺すか
ピストル取り出したら
慌ててあとすざって
羽目板外してどぶへ落ちた
あ-っはははは
貴婦人が大笑い
一箇だにうち出し得ぬとな思ひそね柿はたははに底無しの天
真っ青な空に柿がなっている
あれ食べられるの
渋いかな
あたしはもう帰らなくっちゃ
貴婦人が云った
ウエ-バ-のとこへ行くのかな
そういうことは云わないの
馬車はどうなるんだ
御者が消えている
中は空っぽ
あれ正装してかあちゃんと二人
覚兵衛の嫁取りならむ小栗山田毎の松に押し照る月も
二人でもって盛り上げてそりゃたいへんだ
仲人でも引き受けたんか
酔っ払って帰って来た
長け行きてしましく夜半を目覚むれば雪のやふなる月にてあらむ
ふ-んおかしいな
わしは一人きりだが
モ-ツアルトも貴婦人もいないのさ
かあちゃんもせがれもな
常波の川を清やけしよしえやし踏みし石根も忘らへずあれ
てめえの歌集に涎たらして寝入っていた
まあいいか
2008年08月06日 09:19 せっちゃん
三日もすりゃ同じに草生えてら
草むしって
こないだ大水のあと掃除して
ふいっと見りゃうわ
でっけえ鯉が食われてらあな
苔の辺にえらと骨とうろこ散乱
青鷺だな
柵のこっち広げて馬鹿鯉が入ってやがったから
もうにおう
くっさあ片付けて
猫だったら
どうも野良猫も巣くってるし
ふ-んもっと弱るか
中国オリンピックよりゃよっぽどましの
あのまあ共産党ども見るだに最低
秋になる坪庭なんだやら騒々しいか
今日はあと三カ所やっつけてっと
黄色いきのこが生えて
うんまそうなってたいていどくきのこが無数に生えて
毛沢頭と紅衛兵みたいなの
てんぷらにして誰かに試し食いさせ
温暖化でもって
雨がどさっと降るからだ
大あたり
早くお盆が終われ
毎年そう云い暮らす坊主が
じき引退して
乏しい年金でなんとか
鮒釣りして暮らそう
病院の御厄介になる前に
断食してミイラなってさ
あれさすすきの穂が出た
秋になるって
ひでえ暑い夏
北海道に移り住むか
きたきつねでも嫁に貰って
穴蔵生活
今は鬼やんまと同居してるけんども
冬はさ
でもきついで
2008年08月08日 09:55 せっちゃん
アメリカに占領されて男はきんを抜かれ
女はみんなパン助になると云われ
はてなあまさかと思っていたら
戦後何十年間違いなくそんなふうになって
どん底過ぎて
外交をなんとかしろ
国体を取り戻せという
戦争に負けたら
回復は百年かかるそうの
さあどうなる滅びるか
勝海舟は出ないか
宮沢賢治は
昭和天皇に殉死しておけばよかった
いまさら臍を噛む思いの
日本人は
一に心を取り戻すこと
一に言葉を取り戻すこと
一に国体を取り戻すこと
我が思うには
日本人の心の故郷は一休に良寛
難しい手続はいらん
教えるなく
習うなく
本来本当
生まれついてに帰ればいい
単純簡単がなぜできないか
地獄の釜の蓋が開くというお盆
地獄を見るによし
生生世世を尽くしての六道輪廻
父母の地獄の
いや生きている自分の地獄を見る
心を取り戻す為の初歩なりと
一休は地獄を現出する
良寛は極楽を演出するか
この二人は兄弟にはあらず同じ一人だ
あなたと寸分たがわぬ
薫風自南来
殿閣生微涼
一片の書他を圧倒する
子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし
元の木阿弥が
顔をのぞかせる
いずれ命がけ
仏はほどけ
自縄自縛の縄のはしを自己という
先生教育の正反対
平和博愛とは観念にあらず
我生涯もって示す
一に言葉を取り戻す
日本語が死んでいる
上辺だけを言い繕って真実なし
差別用語だのなんだの
おむつを取り替えて貰いながら
云いたい放題の2チャンネル人
歩いたこともない歩き方の論文
教育という必要悪
吉田松陰は獄門
国語教育のまったくのまちがい
歌一つできない日本人
日本語の伝統は芭蕉で絶え
維新の志士の歌にわずかに蘇る
歌はうったえる
身も魂も捨身施虎に似て
預け与えることをもって
人のありようとする
我はまたこれをもってす
国体については我がなすことにあらず
2008年08月17日 20:56 せっちゃん
未知表現個
絶句秋夕暮
白鷺発蓮水
見残影日没
2008年08月18日 07:19 せっちゃん
個を表現することを未だ知らず
秋の夕暮れに絶句す
白鷺が蓮のみぎわを発つ
残影に日の没するを見る
漢文のほうがわかりやすいじゃねっかさ
2008年08月18日 20:51 せっちゃん
消灯見射光
伽藍縦満月
早在秋冷気
槿花過思末
2008年08月23日 20:49 せっちゃん
鳥海山頂荒
霧中見広大
白浪廻早稲
帰期快晴天
2008年08月25日 20:45 せっちゃん
味方村水路
白鷺群天地
他日成釣客
無邪魔稲刈
2008年08月26日 20:45 せっちゃん
夜半長雨停
我寝雲間淡
明仰三日月
稲群辺下弦
2010年02月24日 11:16 せっちゃん
黄昏坐を
雪の夕暮れの
なんという美しい
大空も
社も山なみも
死ぬるほどの絶唱
昨日と今日の間には
人の一生ほどの差があって
わしは何かというと
破れて消えた影法師
そいつがどこにも
ひっかっかっていないのさ
2010年02月25日 08:24 せっちゃん
降ったり止んだり
雪のはだれは
大入道したり
猫又したり
うさぎと亀や
だれかさんしたり
悲しい目をした
なつかしい故郷の
うはは
地球人類のように
直に消滅するかな
自分になるということは
ふいに涙
そりゃ
悟後の修行にもあるのさ
世の中どうにもこうにもだしな
2010年02月26日 08:19 せっちゃん
シーシェパードは
一神教の横暴を曝け出す
ローマ法王の謝罪の如くに
信ずる者は救われるという
身勝手は
十字軍から
オリバークロムウエルから
魔女裁判から
ハワイを滅ぼし
世界中を蹂躙する
野卑野蛮
宗教が間違っていたと
云わないかぎり
際限なく続く
右の頬を打たれたら
左をさし出せという
厚かましさ
真実は
信にも不信にもよらず
そんなことは
鳥でもけものでも
三つの子でも知っている
どうしようもないねこれ
2010年02月27日 09:38 せっちゃん
なにをまあ
しゃちほこばってさ
峡帯峡路錯然なる時んば吉なり
犯ごすべからず
政治は政治にまかせ
経済は経済にまかせ
詩歌には
そっぽ向くよりないか
因果必然という
それだけが当然
元の木阿弥
阿呆のこれさ
世捨て人
生活といえば
坐るだけが
そりゃもうそれっきりの
七転八倒
2010年02月28日 08:58 せっちゃん
からすに
行きずり挨拶すると
きょとこっちを向く
聞こえるはずもなし
車の中
杉のてっぺんに停まったさぎ
これと云ったら
ふいと向く
けきょけきょどあほったら
つんと振り仰ぐ
声にも出さんのにさ
あっはっは
言葉を持った人間だけが
つんぼ桟敷の風景か
いいから
早く雪が消えろ
そうだ
ふきのと取って
雪の山にうっすら
半月がかかる
明日も晴れるってさ
だれか来たら
ふきのとをご馳走しよう
朝に夕に
坐るしかない
能無しの生涯も
じき終わるか
そーしたら
出来ることなら
月山に行って
ミイラになろう
雪消えを
ぶなの新緑
2010年03月01日 08:45 せっちゃん
トヨタの社長は
なんであんなに無能なのかな
危急存亡の時に当たって
申し訳おしゃべりの
ていたらく
肉を切らせて
骨を絶つの一石
若しやトップに立つだけが
精一杯の
えせ官僚
組織が人材を育てなくなって
すでに久しく
トヨタこけりゃ
日本がこける
待てよ
よってたかって
功名に仕組まれた
真珠湾攻撃か
中小企業の国
イチローに
松井にさ
毛唐どもにいいように
しゃぶられて
開国以来二百年
云っちまった
くたばりぞくねの坊主がさ
なんたら
恥っさらしを
春一番
雪が消える
悲しいな
2010年03月06日 08:33 せっちゃん
ちえたいした歌も詠まねえってのに
紀貫之って
どうしてこんなに
文字書くのうんめーんだろな
百万年かかっても追っつかねーか
わっはっは
わしもみみずのたくって
紙汚そうっと
ふん
雪霧がたって
春だな
わしの特許は
風景に自分を置き換えるこったかな
だれにでもできるけど
だれもできないのさ
いいことあるかって
歓喜
2010年03月07日 10:24 せっちゃん
雪霧らい
雨が降っている
もっとものすごい
まっくろけなものだったな
むかしは
四月になって
三メートルの豪雪がいっきに消える
春が来るよと
世話人が云った
先住のいまわのきわだった
向こう山も
こっちの沢も
雪霧は
雲になって流れ
龍の住む里には
雲がかかる
去年は龍舌蘭が咲いた
百年に一度という
センチュリーユッカ
四十年うるさったく
はびこっていた
先住が植えたんだ
とつぜんそやつが咲いた
百年の
君が代蘭に
咲きにほひ
命尽きたる
のちの幸せ
君が代蘭というのだ
龍像とは
禅僧の誉れ
はーい
龍像の
伝えの如く
幽けしや
センチュリイユッカの
花にしぞ咲く
すばらしかったな
百の花ふさ
なにさ
テキーラの原料だってさ
わしは安物のワインで
晩酌
どうやら冬は終わる
暁天坐も
黄昏坐も
けっこうに寒かったな
今年はもう咲かぬか
2010年03月08日 08:35 せっちゃん
冬枯れ山を
抱きしめキッス
なんていう美しい
ふるえる
乱れ雲の
空を泳いで
春だあ
泳ぐのは不得手だったか
溺れたって
空気があるさ
花が咲くには
間があるか
浮かれ呆けて
ドライブして
雪崩だあ
潰れ屋敷だ
見事なもんだ
大木だあ
寝床に入ったら
満月
おぼろ月夜か
暈をかぶっているぞ
あいつと二人
相合傘の道行きは
となりの銀河
アンドロメダへ
行きて帰る心の味は
芭蕉さま
行って帰らぬ無心
そうさなあ
なんで帰って来るんだあ
2010年03月09日 08:32 せっちゃん
雪のまだ残る
鶴賀城は
吹きっさらしに
観光バスがついて
わしらのほかに
団体さんも押しかける
ラーメンと名物コロッケで
腹ごしらえして
天守閣に登る
切腹した
白虎隊の
今様肖像画
いくら似せたっても
どっかかったるいや
歴史音痴のわしには
蒲生も保科も
かたもち先生も
よーわからん
売店でもって
和紙買ったら
どえらい高いぞ
荒城の月の
碑があった
茶室があった
素通りする
荒城の月
とは聞こえ
うらがなし
たれか命の
茶を喫し去る
桜の老木を
手入れする
たいへんな労作だ
三十回四十回
養生するとさ
なーるほど
たとえては
阿鼻叫喚の
花と散れ
石垣をのみ
苔むしてあり
老夫婦の
これは
温泉旅行
2010年03月10日 08:15 せっちゃん
世の人
思い込みにより
惑わされて
てんで勝手に
錦の御旗
いいのわるいの
そうさなあこれ
地球破壊爆弾
思んみるに
痛ましいかな
夜も眠れずと
良寛さんは
詩に書いて
生まれたまんまの
赤ん坊は
仏というお姿の
良寛の前に良寛なく
良寛の後に良寛なく
万億年
わがともがら
孤俊
たった一人を免れて
正法眼蔵に涙を流し
なにをやらかすかわからん
わるがきどもを
対大古法にして
それでもって
それでもって
2010年03月11日 08:07 せっちゃん
みんな仲良く幸せにと云って
校長先生さまは
あばずれ中学生を
そっくり卒業させ
声楽の女先生の
喉を潰してしまった
なんというまあ
あいつ頭剃らんな
二股坊主
どこの馬の骨ともわからん
わしのようなは
さげすまれて
えっへっへ
校長どのは賢いんだ
坊主なんて
人間の格好してねーな
先生だってさ
天邪鬼みてえなのや
へんちくがいたり
先生は悟れず
坊主はでたらめ
禅宗が
坐禅を嫌い
坐りもせず
出家もせず
嘘八百の空威張り
ごんずいかたまりの
どうにもこうにも
猿芝居に明け暮れて
人を見殺しにして平然
血の一滴もない
いつのまにやら偉くなる
見苦しいなあ
なんでこうなる
云う甲斐のないのばっかり
もうじきおさらばできるって
せがれ代継ぎは
出家せずのらごら坊主
なんたるちあ
宗門を出るこったか
所詮そういうこった
宗門すでに滅び
坐ってられりゃ
他は二の次三の次
もう一人二人
あとを作って
このわしを
証明してもらえば
贅沢これに過ぎたるはなし
2010年03月12日 08:28 せっちゃん
秋風とともに来襲して
どんどんかっか
あっというまに
庫裏も本堂も穴っぽこだらけ
極彩美麗なる
青ゲラ七羽
啄木も庵は破らず夏木立
行い清ます
禅僧さまのはずが
釣り坊主の
えーと女好きの
こりゃどうにもこうにも
穿った穴から入って
禅しょうわきの
柱巻きにもぐり込んで
くーすか
ひっつかんで
こんちくしょうめ
どうしてくれるって
川原へ捨てに行く
獰猛なることは
やたらに突っつきまわし
気味がわりーったら
ながーい舌
性悪女よりひでーや
おっぱなしたら
お寺めがけてまっしぐら
左官がしっくいを塗る
もう大丈夫という
どうなんだろ
やっこさんめ
つっつきかけて半穴
薬が入っているらしい
ひとつがい住みついた
朝に夕にたららたた
仕方ない性悪女
きつつきの
穿てるあたり
降り降りて
まふら淋しも
軒伝ひ行く
豪雪の冬が過ぎる
向かいの山にいた
唐松は
堂を破りし
きつつきの
つがひにあらむ
春の燭台
せっちゃん 雪が降って
鉄塔がかすんで
一つはくっきり
一つは幻のよう
宮沢賢治の
電信柱は
エポレットをつけて
勇ましく歌って
行軍
なりがでかいのに
送電線は
スカートを履いて
華奢でふーわり
ラインダンス
流れ雲の
大空が
拍手喝采
烏とわしは
一人ぼっちで
ぶつぶつ
はてなあ男は
生涯で二度もてるんだってよ
色には
女はみんないちころ
空には
世界宇宙一切わしのもの
なーにを
寝言云ってるんだ
烏なんてもな
こうやって
ああやって
かーお
もてるもてない
いらん心配なし
今日んところは
負けておく
真っ黒けえの
あほがさ
2010年03月14日 08:10 せっちゃん
モーツアルトは
白馬を駆って
金銀の両輪に
はるかな天空を行く
田舎者にはお呼びもなく
取り付く島もない
次に聞いたら
一音全世界
モーツアルトだ
世の中
ものみな
田舎者の歩みのように
モーツアルトだ
明けても暮れても
モーツアルト
学校をさぼって
ノートもほったらかし
モーツアルトさえありゃ
命もいらぬ
なんにもいらぬ
青春も
女も知らん
だがなぜかしっくりせぬ
しっくり行く
菊の花の精のように
現われ出でて
挨拶する
すべてが失せる
壁も
大空も
いきなり
砂漠になって崩壊
絶叫して
三日三晩立ち尽くす
狂いか死か
それは人間だ
スフィンクスと取り引き
生き残って
白髪まじり
耳鳴りして
ものみな遠のく
淋しい
つまらない
とつぜんそれが蘇る
八ヶ岳に
雨が止んで
露濡れて
おおいちもんじが飛ぶ
命は
故郷の山河
彷彿として蘇る
モーツアルトが鳴っていた
器械装置を考案する
あらゆるものから水を
汚物から
石ころから
ひからびから
憎悪から
無関心から
空白から
首尾よう行くように見えて
突如暴発
原子崩壊の
全身ケロイドに焼けただれ
盲しい
音は聞こえず
真っ暗闇に
激痛だけが我れありという
しっくいに巣食った
虫の卵の行列は
なんというそやつがモーツアルト
無間地獄は何万年
親兄弟を擲って
出家
断じて許せぬ
はた迷惑の上塗りは
おおよそ十年
モーツアルトを聞く
しっくいの壁を抜け出でて
影というもの失せて
浮き草ではない
涙のように
一音全世界
それを脱して
モーツアルトよりも
一坐の法要
我れなく
モーツアルトなく
風景ものみな失せて仏
2010年03月15日 06:56 せっちゃん
寒いんだねえ
あの雲
ほんのり覗いた
青空の中に
まるまって
一本杉と
冬枯れ林は
もう春だって
云っているのに
2010年03月15日 06:58 せっちゃん
ふきのとを取った
きつい香り
幼馴染の
美代ちゃんが
女だって知ったときの
鮮烈の
思い出を
2010年03月16日 08:16 せっちゃん
新しい部屋に寝ていると
雀のつがいが来て
出て行けと云ったんだ
そう云えば尻の下あたり
屋根瓦に巣食っていたな
ぴいちくぱあちく
うっさいわしのもんだと云ったら、
ぴいっとくそひって行く
二つ並んだしみだあこれ
でもって今は目と鼻の先の
鬼瓦下に住んでいる
雀らが縄張りすらむ
軒のへに
人も住まへば
こは騒がしき
村八分の
わしんことじゃないのさ
雀ってのは強い
鳩のむれ追っ払って
餌を啄ばむ
つばめを追い出して
軒を守る
田んぼの
落ちこぼれなくなって
花の蜜を吸う
くちばしでっかいから
めじろとちがって
花ごとむしる
丸竹にむかい雀は
上杉家の紋
弥生時代に
稲といっしょに
わたって来たという
由緒ある雀一家
つばめは出遅れ
みんなで助けあって
海をわたる
信濃川に
数千数万して
すれすれに飛ぶ
いっせいに
大空に駆け上がる
感動だったな
あれは
おい雀ども
とうとう半分に
へっちまったってな
これからどうするんだ
この寺の紋もさ
丸竹にむかい雀
2010年03月17日 08:40 せっちゃん
雪が降る
生を明きらめ
死を明らむる
仏家一大事の
因縁なりと
生死の中に
仏あれば
生死なしと
雪が降る
生死涅槃と心得て
生死として
いとふべきもなく
涅槃として
ねがふべきもなし
このとき始めて
生死をはなるる分ありと
降る雪の
人身得ること難し
仏法値ふこと希なり
ぼたん雪になった
六道輪廻を
まぬがれ出て
ろくでもない
ぐうたら男の
この身を
捨て去って
降る雪の
滅罪清浄
業類解脱
忘れ呆けて
知らず知らず
降る雪の
涙流れて止まず
2010年03月18日 08:22 せっちゃん
鵜川神社に
大けやきがあって
手当てして
木枠で囲ったら
ゲゲゲの鬼太郎の
住まいになった
柏崎
鵜川の宮の
大けやき
しのふる雪に
我れももうでぬ
次第豪雪地帯
堰をつらねて
鵜川には
岩魚と鯉と
鱒とが同居する
とりかぶとが咲いていた
釣りは面白かったが
道路ができて
手入れして
魚もいなくなった
風の座という
民家を
改装もせずの
喫茶店
趣味人の
展示会があって
書や
陶器などを
おし並べる
立ち寄ってみた
若い子連れで行ったら
大学の先生に間違われた
土田舎坊主が
綾子舞の里は
そのどんずまり
立派な
会館ができて
ビデオを見る
踊りを習う
利恵ちゃんと
ちひろちゃんが
手振りして
踊ってみせる
古風の舞が
わしはすっかり気に入った
室町時代を
今に伝承する
稲刈り終って
九月には
綾子舞の奉納がある
絵描きの
ごりちゃんと見に行った
屋外に
舞台をこさえ
何百人の観客と
教育長が演説し
市長が演説し
会長どのが演説して
米山さんから
雲が出て
ぴっからしゃんから
二つ舞い
狂言があったら
どーんと降って来た
すんでに車に逃げ帰る
佐渡を追われた
出雲の阿国が
行き倒れになって
伝わったという
綾子舞
あしびきの
雪ふり袖の
如くして
出雲の阿国は
いつ問ひ越せね
雪に閉ざされ
うら若い
女たちに
伝承されて
村里を回り
絶えることなく続く
木沢なむ
山沢ならむ
標識して
女沢なむ
雪ふり袖の
美しい衣装を
新調してもって
中高生が
立派に舞う
色っけがあったらなあと
土田舎坊主
2010年03月19日 08:40 せっちゃん
弟子が怪訝な顔して
これってなんだあってさ
まんさくの
花にし咲くを
いつしばの
待たまく春は
日長くなりぬ
まんさくの
花にし咲けど
いつしばの
待たまく春は
日長くなりぬ
そりゃまあなんだと思うわな
いつしばっていつかというのと
やまたずって迎えにかかる
万葉の言葉は
物があるのさ
手に触れ
耳に聞く
わしのを
歌にはなってると
歌人が云った
妄想と独創がないってさ
うっふっふ
歌人さまのは
歌になっていない
日本語でもないし
何語でもない
ふわーい欠伸
まんさくの
花にし咲くを
知らでいて
年のへ我れは
物をこそ思へ
まんさくを貰いに来た
じっさが死んだ
神棚に供えて
年を占うという
まず咲くからまんさく
満作のまんさく
あんまり
縁起のいい花ではない
春ながという言葉が
越後には残っている
いつまでもうら寒い
咲くまえは吹雪
咲いたあとは寒風
わしも越後ぽうになった
まんさくが好きさ
2010年03月20日 08:14 せっちゃん
モンスターのよったくり
樹氷の
八甲田山中には
不思議な音楽が
聞こえる
行ってみようか
死なないようにさ
モーツアルトか
死んだ弟の声だ
安家洞の
百メートルの
水底に
跳びこんで
まっ白けで
目のない
恐竜がいるか
三葉虫かな
バッハの無伴奏
狂った姉の声だ
こうっと風が吹いて
春一番の林が
ぴかっと光って
金色の
狼がわだかまる
ローマから来たんか
エーリアンかな
ぱかっと開いた口に
吸い込まれ
父と鳴くらん
母と鳴くらん烏
人間なんて
万物の霊長だとさ
神様かたって
どうしようもねえ
性器だけの
さなだむしか
食うだけのいもむしか
鯨食うな
まぐろ食うな
日本人はどっかいけ
信ずる者は救われる
キリストユダヤマホメットに
戦争と喧嘩は任せとけ
ふわーい欠伸
ぽっかり月が出た
2010年03月22日 08:29 せっちゃん
杉を植えるといって
山を伐採した
わし一人反対
松茸取るんだ
しめじも出たんだ
ぶなも
といったが通らず
伐採したら
あっちこっち
山百合が咲く
人がいるかと
はあっと振り返ると
十も花をつけて咲く
うっふふ
ふられてばっかりの青春をさ
守門なる
笹廻小百合の
ゆりあへの
あひ見し妹が
忘らへぬかも
守門なる
笹廻小百合の
ゆりあへの
人の姿に
あどもひにけり
松代にも
松之山にも
松がない
松もないのに
松之山といったら
村人が示す
たしかに三本あった
はーてな山百合は
見たことがないぞ
松のしぶでもって
渋海川
松之山
渋海の川の
百合あへの
久しき時ゆ
通ひき我れは
松之山
渋海の川の
百合あへの
思ひ起こせば
年はふりにき
松代の
渋海の川の
百合あへの
人に知られで
住むよしもがな
松代の
渋海の川の
百合あへの
人に忘らゆ
名をこそ惜しも
兵隊の墓がある
二階級特進で
上等兵
山百合の
塚にしあらん
手を合はせ
上等兵なる
念彼観音力
どうにもならん
親不孝のわしの
母親の墓に
一本だけ
山百合が咲いた
けだしやも
親の因果が
子に報ひ
二人もうでぬ
百合あへの墓
笹川の流れは
白砂青松
石英砂の
鳴き砂で
たとえようもない
百幾つも花をつけた
山百合の行列
年へて行くと
車の道ができて
笹川の流れは
どこだと聞いて
ここだと云われて
唖然
九拾九神
百合あへ咲けば
一言の
主の命を
流れ笹川
このあたりに生まれ
海賊になった
話を作った
百合に
龍を
海賊船百合花竜の
痛快大活躍
しまいには
地球のへそから
別の世界へ行く
2010年03月23日 08:06 せっちゃん
坐ってりゃいいのさ
坐るしかないのさ
色即是空の用なし
ゼニを儲ける
甲斐性なし
名利の衣も
おんぼろけ
手足等閑
はなみずすすって
ホームレスは面倒だし
托鉢も無理か
とっつこうか
ひっつこうか
うんこしょんべん
わっはっは
情けない詩だな
さっさと断食して
消えるか
病気になっても
医者いらず
人目をしのんで
浮世のかぼちゃの
つるたぐり
風が吹いて
雲が流れ
菩薩清涼の月
畢竟空に遊ぶ
自分を見ない
一時失せて
宇宙風呂
オールマイティは
我此土安穏
天人常充満
そうしてもって
塔婆一本
諸天撃天鼓
常作衆伎楽
絶句する美しさ
一瞬一生
ふわーい欠伸
たーいくつだあ
えっへっへ
2010年03月24日 08:11 せっちゃん
嵐になるなんて
とっても信じられん
曇り空に
ぽっかり
月が浮かぶ
平和ってこれ
若い女の子が
抱きしめてって
信じられるか
わしでなけりゃ
いやだって
おっほっほまさか
苦心惨憺の連中をさ
みんなよせて
祇園精舎
ほい
百億円やるって
信じられるか
そりゃ夢だな
雪消えには
ぽっかり
しょうじょうばかま
信じられないほどの美しさ
浮世の春を
踏んずけずにな
2010年03月25日 08:32 せっちゃん
魚屋は
魚食ってから魚売る
坊主は
死んでから葬式しろ
うっふっふー
うっかり云ったら
坊主どもぞっと睨む
阿呆めが
なんだと思ってやがる
生を明きらめ
死を明きらむるは
仏家一大事の因縁なり
生死の中に仏あれば
生死なし
檀家に読んで
聞かせるではないか
禅宗のくせに
坐禅大嫌い
見せかけの
坐禅しかしない
そりゃまったくのナンセンスだ
嘘とはったりだけが
胡坐かいてさ
わっはっは
けつを割りゃがった
だれも
坊主にはそっぽ向く
空威張り
らごら坊主の
世はつひえ
割りを食うたか
月見に一杯
舟に乗って
川を下る
水はとうとう流れて
天地幽冥の間
草ぼうぼうの
蓬莱島に
漂いついた
龍華仙女に会う
美しい仙女は
手をのばして
天竺の桃を
取ってわたす
不老不死なんて
いらんといったら
しばらく恋愛ごっこに
いいってさ
我は詩歌に
彼は管弦の技に
二人歌い
舞い踊る
三千年
そうして
十の花草を育てた
如来
応具
正遍知
妙行足
善逝
世間解
無上士
調御丈夫
天人師
仏世尊
すでに花開いて
結果し
十の宇宙となる
われらが宇宙もとこれ
聞こえるだろう
如来十号
賛嘆礼拝
忘れほうけた
そうさ
お前さんがことさ
聞こえないのは
聞こうとしないからー
2010年03月28日 09:15 せっちゃん
春の美しい
雲が流れ
生臭坊主に
挨拶して行く
阿呆めが
数学を勉強しろ
自然数ってのが
わかんねーんだけど
一から十まで数えろ
つまらん説教してねーで
モノポールを発見しろ
宇宙の支配者だ
飛天伎楽天
きれいどころが
よりどりみどり
雨曼荼羅華
重力レンズで探したが
見当たらず
ビッグバンの向こう
宇宙を求めるについに不可得
わっはっは
我汝を救い得たり
科学者なんていうのもさ
十二歳を卒業しろ
戦争も平和も
宗教も哲学もさ
雲の流れの
千変万化
歴史も芸術も
詩歌も音楽も
人の生み出す何倍の
無限泡影
だったら
ぽけえと眺めるによく
飽きたら忘れるによく
5%の合格率
気象予報士よりも
むかしのじっさのほうが
よろしく
かあちゃんの湿度計が的中
これからは
大荒れ
剣呑の時代
ゼニ使い果たしてもって
人間
生き延びるのがやっと
雲を掴む話ってのが
真理だとさ
2010年03月29日 08:19 せっちゃん
暮れに降った雪が
しがみついて
孟宗は
なだれをうち
杉は何十
へし折れて
樫の大枝が
かえでに墜落
雪消えまでは
ほっとかにゃならん
消えたらたいへん
重労働だ
せがれがやれ
わしはいずりまわってー
しょうじょうばかまが
群れ咲いて
美しい
越し人の
呼び名をなんと
しょうじょうばかま
しくしくに
雪の辺に咲く
行ってみると
いちりんそうも咲く
数少なくなって
赤い蝋燭のようなつぼみ
いちげなる
咲き立つ見れば
古寺の
杉の門は
あがきも行かな
杉の門は
荒れ吹くなゆめ
かたくりは
まだ雪の中
いにしへゆ
我が言の葉を
かたかごの
紫にほふ
春ならましを
雪割り草は
向かいの山に咲く
もののふの
いにしへ垣の
いつしばも
紫にほへ
雪割り桜
雪割りの
花を愛ほしと
いつしばの
しのひ行きしは
たが妻として
かたかごはまだ
また雪が降って
おおやまざくらの雪化粧
花よりも美しい
池に映る
雪の林は
この冬の見納め
あっはっは
先のことはわからん
虎を描いて
猫にもならず
なんにもならずは
思い込みも
気位も失せて
雪月花美しく
風景はだが
おかまいなし
暑さも寒さも
大事件ってこったな
仲良くたって
さあてどーかな
2010年03月30日 07:06 せっちゃん
福寿草が咲いて
坐禅草はまだ
百体観音だってさ
田んぼん中に
雪道続く
行こうと思ったら
しなのの山猿め
駐車場じゃねーから
停めるなって
雪もかかねーどいて
パス
教育県だ
炬燵哲学だ
ちんけでえげつねえの
けえくそひって死ね
雪の山
かきのぼって行って
ふうふうはあはあ
石仏を拝む
百五十ある
修那羅の石仏
もう百五十あるってさ
千手観音あり
お地蔵さまあり
閻魔さま
明王あり
不動明王あり
そうずかのばば
きつねに
山姥に
うさぎに
道祖神に
殿様に
お姫様に
天神様に
わかんないのや
こわいのや
にっこりしたのや
はらぼてや
雪をかぶって
いい面構え
どうでもいいのなんてないなあ
むかしの人に会う
人の世に帰る思い
若葉のころに
もう一回来ようか
これも信州人なら
信濃の真人をさ
人間がいなくなってから
ずいぶんたつな
日本人が消えて
相撲は
モンゴル場所になって
朝青竜は罰金払え
せっかく名人芸になって
くそ
わっはっは
わしももうじきおさらば
山に行こうか
海に行こうか
千年もしたら
引返してみようか
2010年03月31日 07:12 せっちゃん
春の雪降る
谷間の林を
絶唱
今様はさっぱりわからん
うっふっふ
死ぬまで生きろってさ
どいつもこいつも醜悪
嘘とはったり
疲れてげっそり
曖昧
おれおれ詐欺に
2チャンネルに
顔のない
人格形成のない
スカイツリーを建てて
浮世から
逃げ出そうってさ
天上へ
無意味さ加減は
馬鹿630m
電波等だってさ
貧乏人
その他大勢の
裏返し共産党
宗教だの
きちがいだの
人間リコール百億人
儲けるアメリカ人な
わっはっは
1000年裁判
死ぬ前に
世の中と和解しろってさ
神さまだっけか
介護されて
文句百万だらは
みっともねーってさ
いひひ
宇宙飛行士だと
つまらんもの
有り難がって
いつの世も
ピラミッド万歳だとさ
芸がねーなあ
ふわーい欠伸
光前絶後
玉露宙に浮かぶ
雪降って晴れて
今日から
春だってさ
早く花咲かんかな
2010年04月01日 07:12 せっちゃん
雲があんまり美しいので
空が青いので
振り返れば
月は中天
雪が降って
白梅は満開
紅梅はつぼみのまんま
残んの生涯は
始まったばかりか
ついの彼女もできたってさ
あっはっは
浮世にお返しは
そりゃこっちが
出張気味だな
親兄弟には
申し訳ないが
なあ月よ
生死を明きらめぬ
修行は
亀の甲羅から
首や手足出して
あーでもないこうでもない
服と不服とは
医の科にあらずってさ
2010年04月02日 08:13 せっちゃん
筆をとってさ
どんな字を書いてるんか
何を書いてるんか
さっぱりわからん
筆法も弁えず
みみずのたくって終わり
でもって
あっはっは
何を書いたかというと
みみずののったくり
桜はまだかな
空威張り
らごら坊主の
世は終わり
割りを食うたか
花見に一杯
修証義だ
正法眼蔵を
筆写するだけで
いいってことがわかった
2010年04月03日 08:20 せっちゃん
ごいさぎがふうらり
雪の辺にいた
あくる日
軒先に立つ
助けてやれなかった
ひよどりの
落ちて死ぬべき
春なれや
越しの深田に
花咲くはいつ
鳥もけものも
冬を越すのは
たいへんだ
年寄って
春先に命を落とす
今年の冬は身に応えた
ついぞなく寒かった
願はくは
花のもとにて
春死なん
そのきさらぎの
望月のころ
頑丈野放図の
西行は
ついにその念願を果たす
じじいばばあと
浮世の厄介者
そろそろ
お覚悟をってやつだな
野垂れ死に
ホームレス
冬には凍死
春がいいなあ
梅の咲く
つとにも降れる
あは雪や
初音鶯
鳴くには鳴かじ
うぐいすの鳴き声
うまいんだがな
わしは
2010年04月04日 06:18 せっちゃん
上田の雲洞庵は
武田信玄に
塩を送るよう云った
和尚の
人呼んで
これは越後一の寺
いにしへゆ
大修行底
雲洞庵
荘厳せむは
新芽吹かへる
豪雪が消え去って
言語を絶する美しさ
僧道の
畳は腐れ
いたずらに
人の寄るさへ
新芽吹かへる
駒澤学者が
跡をついで
坊主はどうしようもないって
大威張り
てめえ
仏教のぶの字もない
あほらしさ
山姥の像があって
そっくりの女の子がいて
ほんとうだ
わあと云っては
だれかれ案内する
滝谷の慈光寺は
村に僧堂を
寄進して貰って
大法要をして
テレビに放映された
それっきりすたれるに任せ
当然のこと
師家のいない
僧堂なんて
まったくの
ナンセンス
杉の森深く
絶好の
修行道場
僧堂は
いたずらにして
静けさや
涙すなるは
出家せぬ尼
御開山
道元禅師の法は
絶えて久しく
お経をあげりゃあ
ゼニになるっていう
坊主どもが
私物化して
たとい出家しても
行くところなし
花も雲も
嘆き悲しむ
鳥もけものも
そっぽを向く
人間の如来は
人間に同ぜるが如し
水は流れ
水は流れ
2010年04月05日 06:12 せっちゃん
この事は単純
ものみな我れにあらざる時節
云うは安く
行うは難し
二十年三十年して
ようやく緒につくが如し
何故か
ただただ我儘なるが故に
梅の綻びるを見て悟る
アルタミラ洞窟の壁画の無我
命のやりとりの辺の野牛を
2010年04月07日 08:41 せっちゃん
浮世の付けを
払わにゃなら
あっはっは
借金地獄に
無感覚ゾンビーに
平和と戦争ナンセンスに
共産党にオームに
死んだら
それっきりおしまい
はた迷惑がしばらく残って
どうにもこうにもの
歴史は
教科書に載る
うっふうへたくそな文章
ホメーロスか平家物語の
嘘八百が正解
フルートを奏でる女と
ピアノの伴奏をする女と
つまらん音楽だ
音楽家ってのは
ださいドレスを着る
ひっぺがして
りんごを食ってる
イブにするか
腹がぶったるんでるぞ
音楽より
ましってこともー
てなこと云うと
大顰蹙
咲いた花なら
散るがよき
神に捧げる才能も
ニイチェの申す通り
神は死んだ
ふっふ
狂人止めて
マシーンになって
それもだめなら
いやさゼニカネ
大空の雲のほうが
よっぽどましだ
千変万化して
消えりゃ
跡なし
モーツアルトを聞こうぜ
ドライブして
1950年代のピアノ
末期患者の
心のケアだとさ
そんなもん
医者にできるわけ
ねーだろがさ
よしつれて来い
さっさと死ね
このごくつぶし
苦しめ
因業ごみあくた
浮世の税金
ちったあ納めろってな
てめえ死なんで
お世辞塗ったくるより
ちったあすっきり
虫けらにも
劣る死に様
なーにが尊厳死だ
麻薬漬けってな
2010年04月08日 08:25 せっちゃん
ろーそくのようなつぼみが三つ
暖冬で先細りかと
思っていたいちりんそうが
いちめんに咲く
感激
雪折れの竹を払い
落ち枝をかたずけ
ごみっさらかいて
雪消えの大掃除
たいてい
若いのがやるんだけど
わっはっはたいへんだ
中国五台山は
三世紀弥勒菩薩を祀って
永らく仏教の聖地であった
今また若い僧が修行に上る
厳寒の冬は
マイナス三十五度にもなる
命がけ
たとい必死の厳行も
心がけも
仏に会わずは
結果を得ず
共産主義の荒野に
いたずらな
無駄骨折りは
悲しいかな
2010年04月09日 08:33 せっちゃん
女が
よれよれのまんま
七転八倒
幸せを得ようとして
手つかずのものに
手を付ける
哀れさ
紅梅はほころび
白梅が待つ
春の日は長く
雲は
浮かんで流れ
あとかたもなくと云えば
雲をおしはかる
救いようにない
人間地獄
2010年04月09日 20:21 せっちゃん
猫魔なる
冬の宿りを
摩訶不思議
月押し照りて
ぶなの林を
では行こうか
はーい
ぽっかりぽっか雪の辺
足跡が続いて
それがふっ消えて
行方知れず
宇宙飛行士
ではなくって雲の辺
ぎゃーお
妖怪猫だ
猫魔女
ふーっ
ひっかいて
腹上ダンス
うわ止めてくれ
目から火花
げらげらぐわーお
雷どんがらぴっしゃ
鬼になって
稲光
月夜が大荒れ
飯山の
金井の妹を
恋ほしくば
しのふる雪を
かきわけて行け
越後は
ちゃーんと雪をかく
信州はでこぼこ
のろくさ
なんだって
おねーちゃんがいるんだって
ちがうったら
もののたとえを
ふーん
飯山を
過ぎて通へば
雪も消え
妹も待たずは
酒でも喰らへ
飲んでやろ
知らない
大虎になった
手も付けられん
置いてく
置いてけば
ぐすん
二つ三つ
胡桃をかけば
炬燵掛け
つましくあらん
野沢の湯
ひえー熱湯
入れやしねえ
もう
火傷して
酔いが覚め
なんていう
ごめん
空間移動だ
一っ飛び
二人して
露天風呂なる
雪と月
こは妙高の
絶景ならん
夢や現や
現実に戻って
さあて
和紙でも買って
書きそぼくるしかないのさ
花の春は
飯山の
正受庵とふ
花をねんじ
白隠さんには
何故伝はらじ
2010年04月12日 09:45 せっちゃん
九十四億円
月の裏側を廻る
旅だってさ
お墓を作りたいってさ
どのみち
人の生涯
まったくの無意味
膨大な
無駄遣いより
月を仰いで
しばらく
無意味を
知るによく
光前絶後
玉露宙に浮く
あっはっは
伝家の宝刀
引っこ抜き
たらーり鼻水
八手の葉っぱ
宇宙飛行して
無心を知るなら
そのゼニわしにくれ
教えてやるぜ
あんぽんたんども
地上の楽しみ
無上楽をさ
わっはっは
2010年04月13日 08:36 せっちゃん
うすずみざくらは
1500年
二番目に古いさくら
吹雪の冬を耐えて
花吹雪
ほとんど
枯れ死したのを
人みな
知恵を絞って
手当てして
ふたたび
満開に開く
桜色して
しだにに淡く
うすずみ桜の名の由縁
仏の道を
絶え果て
2000年の大樹は枯れて
仏という
無上の花を開く
見えないか
そんなことはないはず
2010年04月14日 10:00 せっちゃん
すみれさいしんが咲いた
清んだ青
ぎふちょうはまだか
おととし絶えたと思ったら
去年はいくつもいた
梓弓
春はぎふてふ
マンモスの
氷河の時代ゆ
舞ひ生まれ越せし
なつかしい春をさ
ハルゼミは絶えた
しゃくやくの咲くころには
みーんみーんと鳴いていた
美しい青い蝉
ひめしろちょうも
おおひかげもいなくなった
羽化せむは
蕗の露なる
おほひかげ
夏を舞ひ行け
雷門ぞ
蕗を取ると
七つも八つも
さなぎがあった
同寮会に行った夏
ついぞ見なかった
あさぎまだらが来る
ながさきあげはを
浜松で見た
いやがうえにも美しい
亜熱帯の
大型の蝶
人間の絶滅種も
多いんだってさ
今のさばっているのは
人間というよりも
恐竜
うろこの生えた魚とか
ひんむかれて
逆さに貼り付いた
面の皮
恥も外聞もない
わぎなにきんたま
ぬいぐるみの
ゼニカネ勘定
空気がないんだってさ
水棲昆虫の
だがめ
そんなことはない
空気はあるさ
わっはっは
キリストさまに聞いてみてくれ
こきんとうさまに
アメリカさまにさ
ここは
人間付き合いしてるよ
2010年04月15日 09:57 せっちゃん
死んで死んで
死にきってという
半死半生のまんま
埒開かんのは
欲の皮が
突っ張っているからさ
毎日死んで
百日死ぬと
なーんにもないが
ちらとも見える
なーんにもないは
見えない
見えない向こう
ふーい
梅の花びらが飛んできた
まっしろい
おらあがん
早く自未得度先度他の
心を起こすべし
もっとも大切なものを
人に譲って下さい
2010年04月16日 10:45 せっちゃん
まんさくが終わって
ぜんまいが出て
すみれさいしんが咲いて
ぎふちょうが舞う
なんのために生きるか
自分とは何かと問う
問うもの如何
もとっから答えの中
その上に答えを出そうとする
戦争に平和に
ヒューマニズムにってさ
いずれ劣らぬ中途半端
結果は狂人と
ヒステリーと
いつまでやっているのかな
いよいよむずかしくあいまいに
山の桜が咲いて
越後の春は
清く
淋しくかな
今日はまだ
雪が残る
これぞわが愛人
風の便りに
消え行く
756 2010年04月17日 10:31 せっちゃん
また雪が降って
掃除は一日遅れ
すみれさいしんが咲いたのに
ぎふちょうはまだ
しじみちょうが出て
あれどうしたのかな
雲が浮かんで千切れて
星がまたたく
人にはみな星の座ありと
浮世の鞘と
まあさ
わしは抜き身の太刀
納まらずは
鈍刀これ
空しくもあり
淋しくもあり
錆ついたか
うっふう
お休み
2010年04月18日 10:01 せっちゃん
これはうら寒い風が吹いて
春は名のみのって
東港で一メートル
四キロのさくらますを
釣り上げたってさ
二キロで一万円の品
港中大騒ぎで
凱旋は
ほとんど初心者マーク
三日も興奮覚めやらず
わっはっは通いつめて
結局足が出るかな
六道輪廻盥回しの
たまには溜飲を下げて
魚こそいい面の皮
人生かくの如し
いっとき釣れたり
まったく釣れなくなったり
幸運は竜宮の
乙姫さまがにっこり
はてなあ
太公望も浦島太郎も
同じようなもの
因業じじいの因業暮らし
浮世離れて
なおさら浮世の
外れ浮世のふーらんどーごら
一勝一敗
一引き分け
殺人事件に
巻き込まれなきゃ是
鮒釣りに行こうか
めんどうくさや
ようやく花もほころびて
唯我独尊
2010年04月25日 06:07 せっちゃん
四方より
花吹き入れて
信濃河
寄せあふ波の
行方知らずも
いっち悪たれは
民百姓だってさ
水戸の黄門さま
そいつをうまく扱う商人と
人気商売の代官様と
さあどうする
借金して
アメリカさんのいいなりなって
えーとそれから
うっふっふ
そんなこたどーでもいーか
政治不要
教育という必要悪
執権北条氏が見本の
松下村塾が理想の
水戸の黄門さま
どうしてくれる
なに
ふだらく渡海して
助さん角さんは
釣り暮らし
日本列島さようなら
あっはっはそりゃいいや
三界の
花のあしたを
いやひこの
おのれ神さび
雨もよひする
2010年04月26日 13:28 せっちゃん
ゴンドラを
空しく見上げ
宿らふに
湯沢の花の
今盛んなり
花の時に
客がだ-れもいない
閑散
ご馳走まさにこれ
数の倫理とさ
わしなんぞ
用無し人間
歌も
俳句も
妄想
バジリスク
日本語なんて
どこさがしても
見当たらぬ
淋しいたって
世の中
芽吹きあへ
一人湯船に
ひたれるに
思ひ起こせば
妹も一人ぞ
一人きりでも
空間があるのさ
オブジェの
花とは違う
一人ありゃ
一人息付く
鬼無里には
七曲りせむ
八つ曲がり
妹らがり行く
花吹雪して
鬼のような
人間ばっかりだから
鬼無里
なーんちゃってさ
2010年04月27日 08:17 せっちゃん
ぶなの林の中に
古墳が六十もあって
春はかたかごの花に咲く
どんなふうに主が暮らたか
歴史学者の物語には
あんまり意味がない
なんにも伝わらずなって
白骨だけが残る
月が照れば
月に任せ
天の川の
流れるままに行き
浮世は花盛り
ここに一献をそそぐ
呑兵衛もなし
かたかごに
さやめく女たちに
スカートを覗く肉体もなし
風の吹くだけの
山の林を
身心失せて
無上の一箇ありと知る
若しやこれを知る
すなわち是
あるいは
冬の吹雪の
もがり笛をのみ
心の姿して
2010年04月28日 08:33 せっちゃん
高遠の
花をいついつ
芽吹き山
しのび逢ふ瀬は
過ぎにけらしや
追憶をもって
目の子勘定しなけりゃ人生は
吹き散る花の如し
悲しみも
苦しみも
しのび逢ふ瀬も
わっはっは
サルトルって間違いも
愛もさ
どうしてヨーロッパどもは
間違を
哀れはた迷惑
いえさ子はかすがい
重荷を負ふて
遠い道を
行くが如しも
ちんぷんかんぷん
心月輪
七十を
過ぎて通へば
高遠の
吹き散る花に
さ寝もい寝やれ
雪消え
ぶなの林に
ミイラになるって
月山の理想は
まったくの無責任
人みな天人の如く
舞い舞い帰り行く
浮世
この地の
他にはなくを知る
花とはこれ
わっはっは
花咲爺
2010年04月29日 09:04 せっちゃん
雨が降って芽吹き山が
青葉に変わる
やまでまりが咲いて
山の桜が咲いて
仕事半端で
飯はめんぱって
死んだおふくろが
云っていたっけな
箒も箕も雨ざらし
冬の大掃除まだ
終わってねーや
たらのめのてんぷら食った
やまおがらが伸びる
しおでにとりのあし
うどももうじき
大好物の
たけのこが出るぞ
そのあとはふき
お経を読んだら
芽吹き山
青葉になるか
鳥の鳴き声すりゃ
つっかかってくる
わりーことした
そりゃ真剣だわな
わが幸せはこれ
たいして飲めもしない
酒を飲んで
一人歌って
音痴
無上楽
大法を継いで
和歌を復活
むかしがたりを我が哲学
わっはっは
どれも
一苦労だったがな
だれ知らぬ
世間の評価なし
忘れ呆けて
あっぷらぱあ
さあ寝よう
明日は
明日を一日
2010年04月30日 08:51 せっちゃん
半日ですんだ掃除が
うんさうんさと三日かかる
わっはっは年寄りメタボ
今日と明日の間には
今日と明日の間があるってさ
山の桜が咲いて
なんという美しさ
雲が流れて行って
千変万化
今様の人は
美しさを知らんのかな
テレビに映画に
カメラの放列に
ただもう馬鹿らしい
なんて云えば大顰蹙
命まるだし
一期一会なんて
贅沢茶人の言い分
東南アジアや
アフリカの子は
美しいなんていう
下らん用語不用
日本の子は
つまらんなあ
可哀想だ
今わの際に
人生の価値を知る
人の死ぬるやその言やよしって
今でも同じだと信じる
でなきゃまったくのナンセンス
見れども見えず
顔のないインターネット人間の
おれおれ詐欺を無惨
世界破裂しようが
人類滅亡も
たとい一箇あるを知る
自分という
お仕着せを離れてさ
他人ごとや
思想や宗教によらぬ
無限絶対
山の桜は
ほろりと散って
新緑
一寸の鳥だって
ホーホケキョと鳴くのに
2010年05月01日 11:49 せっちゃん
雪が降ったか
そうじゃない
山桜が吹き散って
いや満月の
ただ月明かり
水を汲んだ
茶碗をひっくり返した
タオルで拭う
何日か乾燥して
まあいい塩梅か
明日から
接心で
二十四、五人の客
賄い方のかあちゃんを
医者に連れて行って
ふわーい
たいしたことなけりゃいいが
たらのめに
やまおがらに
たけのこを掘って
五月は山菜接心
さーて寝よ
2010年05月09日 12:34 せっちゃん
水を引くと
村の灯が倍になって
どっと蛙が鳴いて
蒲原田んぼ
山桜が咲いて
ちらりほらり
生きながらえて
わしはまた夏を迎え
さーてさて
とかく異常気象が
死ぬまでは生きるか
わがあこがれの月山は
雪消え
ぶなの新緑
かあちゃんが病気だで
どーしようもねーや
海を渡って
北海道の花を見に
ついでに小樽の
鮨を食って
くろまぐろに
ほっきがいに
遊ぶことしか考えない
ぐーたら亭主
めんどくさ
がきどもは
とっくに勘当して
勘当されるのは
親のほうだって
うーん
星が出た
蛙の田んぼはー
2010年05月10日 08:41 せっちゃん
たけのこを掘った
大きいの二つ
小さいの一つ
わっはっは浴びるほど
食えるぞ
大好物
山桜が吹き散って
ぶなの新緑は
花のようだ
草むしりもせにゃならん
車椅子を貰って
足なえじじいも一仕事
草むしりしたら
ドライブに行こう
モーツアルト
越しの小国を
新芽吹く
しくしく今に
恋わたるらん
竹の高地で
和紙を仕入れて来たぞ
短冊に切ると
百枚はできる
死ぬまで生きるっていう
強欲たかりが
まずは一千首
2010年05月11日 14:50 せっちゃん
短歌大会だ
書道ギャルだいうの
あれはなんなんだべ
後ろ向き
あかんべえ
あっち向いてほいの
美しいものに
なるには百年
二百年
いや滅んでしまったか
花は咲き
雲は流れ
鳥はさえずり
魚は行く
数を頼んで
付和雷同の
右往左往
淋しいばかりが
おれおれ詐欺だ
2チャンネルだ
顔の無い
人格形成のない
空しい社会の
傷だらけ
ぶっこわれ棺桶の
なんまんだぶ
どういうわけか
スポーツだけが
華やかに
新記録を生んで
そうさな年寄りは
うんこしょんべん
ひりくるんで
介護人間の
四の五の云わずに
あの世へ行け
土葬か
ほったらかしにすりゃ
地球の役に立つ
そういや人間って
なんかこれ無駄
まったくの無意味
2010年05月12日 12:11 せっちゃん
山古志の
この奥の井に
我が行くか
初音の萩の
咲き満つるまで
山のてっぺんまで
田んぼがあって
曲がりくねって
時には
行き止まりの
道があったり
夏の終わりには
もういちめん
萩が咲いていて
とつぜん
地震になって
てんやわんやの
壊滅状態
緋鯉を飼い
牛を飼い
闘牛をし
ものすごい
たくましい牛の
銅像かと思ったら
うわなんと
こりゃ本物だ
短い綱に繋がれて
山古志の
この奥の井に
我が行くか
人を恋ふらむ
道と如くに
山古志の
水辺萩花
咲き乱り
何に舞ひ行く
こは雲に鳥
人も死ぬ
田畑家屋敷
水没して
八方泥沼
時の村長の
大活躍もあって
寄付やら
義捐金やら
大金して
国道190号線は
前代未聞の
とんでもない
大工事
ぐうたら親父が
十万ポケットに
毎日パチンコに通うと
地震そのまんまに
観光地すりゃけりって
国の借金増えるきり
いやさなんせ
めでたいこっちゃ
村長どのは
国会議員になる
復旧した
山古志の
水辺萩花
咲き乱り
何に鳴き行く
こは月に鳥
2010年05月13日 14:48 せっちゃん
新緑の
林の中に立って
振り仰ぐ
何を思い
何を了る
無用の長物
女の肌が
恋しくなけりゃ
わっはっは
男でもなく
雲に泳ぐ
くらげでもなく
未来を知らず
虚空も知らず
破れ法界
ビックバン
はーてだれであったか
また会おうぜ
2010年05月19日 11:41 せっちゃん
でっかい杉玉が
ぶら下がって
作り酒屋のようだ
うまい酒作るんかな
まずい酒だったら
見せかけ杉玉に
火点けてやる、
花盛りに
もうもう煙の
かちかち山
わっはっは
よー燃えるぞ
泥舟沈没
坐禅しない坊主は
溺れかけて
あっぷあっぷ
でもって
四の五のゼニカネ
そんなもな
鮫にでも食われちまえ
よったくって
葬儀屋に
食われてらあさ
2010年05月20日 08:44 せっちゃん
右に廻って山を上ると、
はーていったいどこへ行くんかな、
龍人のねぐらだってさ
温泉もある
朝っぱらから
轟沈てわけにもいかんな
龍人には
彼女を人身御供に差し出す
差し出される前にって
生贄はお姫さまに
決まってらあな
むかしは龍がいたんだな、
今だって雲が渦巻いて
大空を駆ける
竜巻に出合ったな
巻き込まれる前に
上下に分かれ
地は消え
見上げる空を
渦巻いて行く
あれが若しって
高速道路で
逃げられなかったからな
赤い神社が見えて
なんだと
世界救済教だって
呆れた
人間ての宗教が好きだな
ばかにつける薬ってやつ
2010年05月21日 10:15 せっちゃん
うさぎはもう
茶色になって
山坂すっとぶ
元気なもんだ
青葉若葉の
いい季節
ふーん三年も
そーやって生きりゃ
人も存分なのに
100歳の
寿命を延ばして
地球を汚し
宇宙に唾する
情けないったら
トンネルを抜けると
和紙工房がある
短冊があった
扇が書きやすく
でも買わないで帰ろう
なぜかつまらん
モーツアルトも遠のく
帰って行って
草むしりして
一杯飲んで寝る
花筏の白いのが
なんで涙溢れ
2010年05月23日 08:55 せっちゃん
うわー暑いまるっきり夏だなこれ
草むしりしかすることねーけど
たまには客も来るかな
いつだったか
ふとんに入るときんたまのあたりもぞもぞ
ふわっとあけると大スズメバチの特大女王がいた
いくら女好きでもご遠慮願う
今の時期よく女王が飛んでいるんだな
開け放った窓からもぐりこむ
ひめじょおんににがなにたんぽぽにしゃがに
さつきが咲いて
草も鳥もけものも虫どもも大忙し
ちぬ釣り名人も止めちまったし
はあてなあ
坐るだけがひまつぶし
浮世を抜け出して
山川大空といっしょくたの
いいことあるかって
坐りゃあとなし
ふーんなんか仕出かすかって
売れる小説も書けねーよーだし
うっはっは面倒くさ